2017年10月26日木曜日

Pハンドルの意味

ちょっとPハンドル分かったかもしれません。これ、たぶんポイントは「レバーが真ん中寄りに付いてる」ってことなんです。いわゆるエアロポジション的に、腕を真ん中にギュっと寄せたポジションを取りやすい。これはMハンにもSハンにも無いPハンだけの特徴です。

弱点としては、ブレーキを握るときも中央寄りですので、荒れた路面の下りとかではハンドルの押さえが効かなくて少々怖いです。

あと上ハンの外側、カーブを描いているあたりにチョンと手を添える幅広スタイルもなかなか良い感じです。普通のフラットハンドルのように手首が水平にならず、45度ぐらいに角度が付きますから、手首の負担も軽減します。

もちろん下ハンドルもいいです。勾配のキツイところではやはり下を持った方が力が入ります。ただそれは見た目からも想像できたことなので、実際乗ってみてわかったことは「レバーが真ん中」、これに尽きます。

2017年10月25日水曜日

Brompton P6購入


で、はたまたブロンプトン購入です。他の車種も考えないではなかったのですが、ブロはとにかく「アシ」として優れているんですね。

まず駐輪スペースが普通の自転車の半分ぐらいですみます。ちょっとしたスキマがあればどこにでも停められます。この便利さは実際所有してみないとなかなか実感できないと思います。例えばスーパーの駐輪場がほぼ満車状態で、普通の自転車だと停められないものが、ブロンプトンだとさっと停められたりします。繁華街で混み合ったような場所でも同様です。ブロの素晴らしさは折りたたみもさることながら、日常的な駐輪で半分に折るってところにあるんじゃないかと思います。(だからキックスタンド付けるとかありえないです。ブロの良さを殺してますよ。騙されたと思って一ヶ月リヤ三角を折る方法で使ってみてください。目からウロコですから。)

それと、荷物が乗ることですね。フォールディングバスケットはママチャリのカゴより大きいのでとても重宝します。こんなに気軽にスーパーに買い出しに行けるのは、ママチャリ以外でゃブロンプトンぐらいなものだと思います。そもそも通勤その他の用の帰りに買い物もできないスポーツ自転車ってなんなんでしょうか? ライディングそのものを純粋に楽しみたい時は別ですが、生活の自転車としてはそういうスポーツ自転車は失格でしょう。

それに関連してライト、泥除けも必須です。通勤に使っていればライド時間の半分はライト点けてることになりますよね。バッテリー管理不要でメンテナンスもほぼいらないハブダイナモで前後ライトを駆動しつつ、折りたたみもできる。これが素晴らしいのです。

あと細かいことですがリアキャリア後端につけるテールライトは自転車の前兆が一目でわかって目に優しいと思います。例えば車のテールライトが屋根の上だけにしかなかったらどうなるか。なんか見づらいですよね。そういうヘンなことを多くの自転車ではやっている。ブロンプトンのキャリアレスモデルも含めてですけど。やはりテールライトは車体後端にあるべきだし、ヘッドライトは車体中央にあるべきなのです。ブロはそういうことをちゃんとやってる。

泥除けも当然必須です。「俺は雨の日には乗らない」とか言う人がいますが、晴れていても雨上がりの路面はビッシャビシャですよ。そういう日まで乗らないつもりなんでしょうか。

ついでに言えば、あのリヤのちょこんとしたマッドフラップにもちゃんとした意味があります。あれがないとリアキャリアの荷物がびちゃびちゃになるんですね。かといって折りたたみ時を考えるとむやみに泥除けも伸ばせない。そういう風にきちんと考えられて設計されているのです。

で、そのリヤのフラップを落として無くしてしまったことがあるんですが、こんなスモールパーツでもきちんと供給されているのがブロンプトンのいいところです。昔はブロックダイナモ一つ買うのにも前後ライトアッシーでしかお売りしませんみたいにフザけていた時期もありました(ミズタニのせい)が、最近ではなくなってきました。

ブロンプトンは専用パーツだらけだからダメだという人がたまにいますが、私は逆だと思います。パーツメーカーに頼りきりだと、パーツメーカーの都合で入手性が左右されます。彼らは定期的にフォーマットをどかんと変えて、それによって旧世代の自転車を本格的に時代遅れにしてしまいます。それに比べてブロンプトンは昔のパーツでもきちんと揃えている。今も昔の5速のシフトケーブルが手に入るんですよ。外部パーツメーカーに頼っていたらそんなこと不可能です。

それと、ヘビーデューティーです。P6が来るまでの二週間ほど、アロートレーディングの自転車を足にしていたのですが、やはり華奢ですね。ものすごく乗り心地がいいし、踏むと軽くて気持ちいいんですけど、とてもじゃないけど10年乗れる気がしません。ブロンプトンはずっと乗り続けられるような頼もしさが乗ってきて伝わってきます。折りたたみでこれはたいしたもんです。

そんないいことづくめのブロンプトンですが、一つだけ不満がありました。それは、とにかく登り坂に弱いということです。単に重いとか小径であるとかだけでは無い、それはとにかく「ハンドルを引っ張れない」の一言に尽きます。ロードでもMTBでも激坂はハンドル引っ張って乗り切るでしょう。ブロはそれができないので、乗車できる勾配に限界があると思うのです。

その欠点を補えたらと思い、今回はPハンドルを選びました。Pハンドルなら装着できるバッグの汎用性を確保しつつ、いざという時は下ハン持って引っ張れるかなと思ったのです。まあ、これは目論見に過ぎません。実際やってみてまたインプレはご報告しようと思ってます。

で、誰もが悩むブロンプトンのカラーリング。昔は赤と黒と緑、そのツートンぐらいしか無かったのであまり選びどころがありませんでしたが、時代な流れに流れ、今やオーラソーマかってぐらいカラフルな事態になってますね。そんな中、敢えてクラシカルな赤や緑はどうかと思ったのですが、今の緑や赤ってそんなにクラシックっぽくないんですね。特に赤は2017モデルで朱色みたいなのに変わってしまい、私が知っているブロンプトンの赤ではなくなってしまいました。

そんな折、とあるショップで誇らしげに展示してあったアイボリーとブラックのカラーリングが気に入ってしまいまして。これが落ち着いていてとても良かったんです。ほぼ即決でした。

展示車はLモデルでしたので、これに持ち込みでリアキャリアとハブダイナモとライトを加え、取り付けてもらいました。前回の記事で「17年目にしてはじめてリヤブレーキを外した」と書きましたが、これはこのためです。リアキャリアは唯一オリジナルのT5からキャリーオーバーした部品となりました。まあそこまでこのリアキャリアに思入れがあったということではなく、後付けで買うと24000円もするのでその部品代をケチっただけという。でも17年前のキャリアがそのままついてしまう変わらなさもブロンプトンの魅力ではありますね。

さて前回は17年でフレームがぶち折れましたので、今回は15年でフレーム交換しようと思います。予定表のソフトの15年後に「ブロ交換」と登録しておきました。まあ実際あの部分は対策されていると思いますあから、実際はもっと長くもつのでしょうけどね。

2017年10月16日月曜日

ついにお別れです(Brompton T5 2000年モデル )


ついにブロンプトンがお亡くなりになりました。2000年に購入して通勤や日常のお買い物に日々酷使し、17年目の今年を越えることはできませんでした。

前兆は無くはなかったのです。ある時、なにか自転車が前に進まなくなる感覚に襲われました。いつものように漕いでいるのになんとなくスピードが出ず、追い越される率も高くなっていました。

実はこの感覚、以前別の自転車のフレームが折れた時にもあったものです。どうやらフレームが折れかけると前に進まなくなるようです。しかしそこを一旦見逃してしまうと、それに慣れてしまってその後1年弱ぐらいは普通に乗れてしまいます。そして限界を越えると折れます。今回もそんなパターンでした。

幸いなことに今回折れたのは乗車して漕ぎ出そうとしたまさにその時だったので、たいした怪我等はなくて済みました。しかしもしこれが例えば下り坂の途中だったらと思うと少し恐ろしくなります。次は何もなくとも15年ぐらいで新しいのに交換しようと思います。(その時は自分も相応の年ですが、なに、まだまだガンガン乗っているでしょう。)

とにかく17年も乗っていると色々なところを修理、交換しました。おそらくあまり他に例が無いだろうなと思うのは、シートチューブのシム交換です。ブロンプトンは折りたたみ時にシートポストを上下する回数が多く、その動きをスムーズにするためかどうか知りませんが、シートチューブにプラスチック製のシムが入っています。これが磨耗してくるといくらクランプを締め上げてもきちんと固定してくれなくなります。それを知らないでどんどんクランプを締め上げるとやはりフレームには良くないことになるでしょう。

リヤヒンジも交換しました。今はどうか知りませんがこの年代のブロンプトンのリヤヒンジの固定ボルトは「使い捨て」です。一旦組み上げてしまうと緩めることも増し締めすることもできません。ボルトそのものを破壊して取り外すらしい。なのでここはお店にやってもらいました。

スターメーアーチャーの5速も何度か修理しています。そこで分かったことは、やはり内部のギヤ自体は異常に頑丈で、永久機関なみの耐久性を持っています。ただ、シフトワイヤーの過剰な引っ張りに弱いのです。本来あるべき以上にシフトワイヤーを引っ張ってしまうと、それが原因で変速しなくなってしまいます。

ではなぜワイヤーを引っ張りすぎてしまうのかというと、シフトワイヤーが磨耗してくるといくら調整してもきちんと変速しなくなり、その過程でつい引っ張り気味にセッティングした状態で1速などに入れてしまうと引っ張りすぎが発生するようです。外装ギヤの場合はワイヤーが磨耗するとすぐ引きが重くなってそれと分かるのですが、このスターメーの場合はあまり引きの重さが変わらないので、ワイヤーの磨耗に気づきにくいのです。

と、今更こんな古いモデルの「飼い方」みたいなことを書いても参考になる人はほぼいないでしょうが。

リムも何回も変えています。なんかブレーキがガコガコいうなーと思ったらバックリ割れてたりしました。で、お店に修理依頼するとそれなりに日数がかかってしまうので、自分で組んでました、そんなに好き好んでメカいじりしているわけではないです。ブロは日常の足として使っていますので、あまり修理日数がかかってしまうのが困るのです。

幸いなことにブロンプトンは純正スポークがあって、これを買うとスポーク長を計算したり切ったりする必要がないので、その点は楽でした。

タイヤはもちろん頻繁に変えています。小径だけにかなり磨耗が早い感じなので、コスト節約のためある時期以降はマラソンしか使ってません。純正タイヤを使っていたのははるか昔ですが、やはりマラソンに比べると随分磨耗が早かった記憶はあります。

それにしてもブロンプトンのスペアパーツがきちんと供給されているのには度々感心させられました。例えば泥除けのマッドフラップです。フロントのは一回切れ、リヤのはボルトが緩んでどっか行ってしまいましたが、こんなスモールパーツまできちんと供給されているのです。普通のメーカーだったら、良くて泥除けアッセンブリー交換とかじゃないでしょうか。

よく「ブロンプトンは専用パーツばかりだから維持が大変そうだ」という人がいますが、実際には逆です。専用パーツだからこそ他社の都合に振り回されずに純正パーツを供給し続けられるのだと思います。もっとも、昔はミズタニがサボっていたせいで正規では補修パーツなどほとんど手に入りませんでしたが。

例えば、ボトルダイナモというのはかなり早いペースでの消耗品なんですが、そのボトルダイナモの替えがありませんでした。ブロンプトンボトルダイナモは前後用プラマイ端子合計4つが付いており、サイズ的にも下手なのを買ってくると合わないので、ほぼ専用品だったのです。そのボトルダイナモを買おうとすると、なぜか前後ライト一式とでしか売れないと言われ、ブチ切れかけたのをよく覚えています。

そんあ状況の中きちんとスモールパーツ類を供給してくれていたのは和田サイクルとIKDでした。本当にこの二つの店には足を向けて寝られません。中でもIKDは、旧5速をきちんと修理してくれる店はこの店以外に知りません。旧5速用純正ワイヤーもきちんと常備してくれていたし、本当に17年維持してこれたのはおかげさまです。

ライトで思い出しましたが、昔の純正のBastaかなにかのライトはかなり質が悪かったです。何かって言うと暗くなったり点かなくなったり、その都度接点磨いたり中開けて接点起こしてみたりで大変でした。B&Mのライトに変えてからは不具合知らずでこんなに違うものかと思いました。

さらにダイナモをシマノのハブダイナモに変えてからは、もうまったくライト系で煩わされることは無くなりました。ブロンプトンがBastaのライトもボトルダイナモを廃してハブダイナモ一本に絞ったのはまったくもって英断だったと思います。あんなひどいモノは売っちゃダメです。そういうレベルでした。

あ、あとサドルも何度か交換してます。私のは旧型の、あの幅広のやつなんですが、これまた定期的に破れる。で、その度に和田サイクルとか言って中古品ないかって聞くのです。ブロンプトンは新車時からいきなり革サドルとかに変えちゃう人が多いので、純正サドルはたいていストックがあったんです。

サスブロックも定期交換部品でしたね。あまり変えないでいると潰れてきて車高自体が低くなってしまいます。ただ、ほとんどはその前にキコキコ音が鳴り出します。とりあえずグリスを塗ると音は治るのですが、だんだんそれでは効かなくなってきて、いよいよサスブロック交換となるのです。

逆に、交換しそうで意外に交換しなかったパーツもあります。まずフロントバッグ取り付け用のブロックです。これ、まことしやかに「フレーム保護のため割れるようにできている」とか言われていた時期があったのですが、17年間ついに一度も交換することはありませんでした。非常に丈夫です。

それとトップチューブとステムの手回しクランプは定期交換部品だと言われていますが、これも一度も買えませんでした。いつ変えればいいんですかね?と逆に聞きたいぐらいです。

あと純正グリップも一度も買えませんでした。ただしこれはすり減ってハンドルの下地が見えかかってますが…。ブロンプトンの場合前荷重が少ないので、あまり不満を感じなかったのです。いよいよとなったらバーテープでも巻く気でいました。

ブレーキアーチもそのうち変えようかなと思っていたところです。フロントはダブルピボットで調整しやすいんですが、リヤがシングルピポットでいまひとつビシっと調整できないんですよね。効きがどうこういうよりうまく調整できないってところがストレスでした。


そんなわけで17年間一度も取り外さなかったリヤブレーキですが、廃車となってから初めて外すこととなりました。その理由はまた次回に。