かつて「関東最強の林道」と称された御荷鉾林道。何が最強かというと、全良67kmほぼ全線ダートいう、そのダート区間の長さが「最強」だったわけです。
ところがその後舗装化が進み、今やダート区間は十数kmぐらいと言われています。それなら我がBSモールトンでもいけるのでもないか?と思い、「最強」時代に行けないままになっていた御荷鉾という宿題をやっつけようと思い立ちました。
そもそも西上州自体がもう十年ぶり以上となるのですが。南牧村役場のあたりを過ぎ、砥沢や勧能の集落になると、そこには昔と全く変わらぬ西上州がありました。今、日本中どこへ行っても昔の見る影も無いわけです。最近祖母の家のあったところを訪ねてみましたが、家どころか近くにあったはずのドブ川すら消えてしまって、異次元に飛び込んだか狐につままれたかのように呆然としてしまいました。そういう中でほとんど変わっていない西上州の町並みはこれはもう奇跡のようなものです。今度カメラを持って撮りに来ようと固く誓ったのでした。
さて勧能を過ぎて御荷鉾林道に入ります。大仁田ダムまで全舗装ですが、路面状態はやはり良くないです。先日の西秩父線よりももっと悪いです。ところどころ「ダート始まったか?」と思いきや、単に土砂被ってるだけだったりします。落ち葉の量もすごい。よって、第一ピーク第二ピークとも、下りに入ってもスピードが出せません。しかし第二ピークへの登りは第一ピークよりは幾分平和です。景色もいかにも西上州らしい和めるところがいくつかあります。
第二ピークを降りきり、大仁田ダムの下を通過して登って行くと、ダートが始まります。勾配はきつくないです。というかほとんど標高の変わらないフラットな箇所もあり、無駄に走らされてる感じもします。後半は勾配がきつくなり、路面も荒れてきて、息も絶え絶えになってきます。
心肺的にきついのはもちろんなんですが、とにかくトラクションがかかってくれないのです。リヤタイヤが空転しないように必死でラインを選びます。それでも一箇所だけ深い砂利にタイヤを取られてコケてしまいました。だんだん自転車を気遣う余裕もなくなってきて、強引によじ登るようにしてなんとか塩ノ沢ピークに到着。
ピークに到着した途端舗装になります。MTBだったら暴動が起こるでしょう。でも今日はBSMなので舗装の下りはむしろ天恵です。さっきの路面で下りだと正直ウゲーです。
少し下って塩ノ沢峠、そこでチョコにかじりついて休憩していると、後輪のタイヤサイドに変なものを発見しました。タイヤサイドが切れて中から少しチューブがはみ出しているのです。さてどうしよう。せっかくここまで来たのだから踏破したいという気持ちと、山の上でタイヤがバーストしたらシャレにならないという気持ちで数分間セルフ格闘した結果、ここで山を降りることにしました。全くもってついてないです。
念の為外側からタイヤパッチを貼ってみました。それで塩ノ沢峠を下り、下仁田駅に着く頃には、パッチは当然のように何処かへ飛び去ってましたが、タイヤはなんとか持ってくれていました。まあここまで来ればどこかで何かあっても輪行して帰れると思い、別のルートに行くことにしました。実はこの日天候が怪しかったため、雨に降られた時用に平和なコースもGPSに入れてあったのです。
ルートはこんな感じです。小坂坂峠を越え、千平からずっと裏道をたどって上信電鉄沿いの「普通の」住宅街を見ながら進みます。富岡製糸場を見学して、安中の武家長屋という、中級武士のアパートを見学し、新島襄の旧宅を見学して磯部駅から輪行するというもの。もはやランドナー的というよりブロンプトン的なコースですね。走るより観光主体のサイクリングでした。
安中の施設はよほど人が来ないのか、随分歓待されましたが、武家長屋というのは全国でも珍しいと思うので、もっと見学に来てもいいと思います。中級武士でも「こんなもん」なのかと、江戸時代の宮仕えの厳しい現実を見せつけられるようでした。
さて、できれば塩ノ沢峠からリベンジしたいけど、今季はあとワンチャンって感じですね。スペアタイヤもって出ないとダメですかね。今回の穴あきは「たまたま」だったのか、そもそもBSMでダートは「やめた方がいい」のか、見極めたい気がします。
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